■知って得するまめ知識
水は人間に欠かせない自然の恵みです。自然界に存在する水は人間の営みの中で汚されていきます。汚された水を浄化して、利用可能な水に再生させるのが水処理装置の役目です。様々な形で人間に影響を及ぼす水の有効利用は、現代社会の重要テーマです。人間の健康に悪影響しない水を維持するために、様々な法律が施行されています。このコーナーでは水に関する法律や関連用語をご紹介します。
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■公衆浴場における衛生管理要領について
厚生労働省から各都道府県等への通達である。この通達に基づいて各都道府県で公衆浴場法施行細則、施行要領を条例化し、浴槽水の水質基準などを定めている。従って、都道府県によってその内容は異なるが、この衛生管理要領の中で指針が提示されており、概ね似通った水質基準が条例化されている。
(労働安全衛生法、労働基準法、旅館業法の衛生措置を講じる施設は適用外と云われている)
『公衆浴場における水質基準等に関する指針』抜粋
・濁度は、5度以下。
・過マンガン酸カリウム消費量は、25mg/L以下。
・大腸菌群は、1個/mL以下。
・レジオネラ属菌は10CFU/100mL未満。
・アンモニア性窒素は、1mg/L以下
■建築物における衛生的環境の確保に関する法律(通称;ビル衛生管理法)
厚生労働省の法律である。この法律の中で給水装置の維持管理基準が提示されている。
法律文面から解釈すると、水の定義として以下の様に分類できる。
@飲料水;人の飲用に用いる水。(水道法水質基準50項目に適合)
A生活用水;炊事用、手洗い用、浴用など人の生活に供する水。(水道法水質基準50項目に適合)
B雑用水;便所の洗浄用、散水用、修景用、栽培用、清掃用の水。
(雨水処理水、下水処理再生水、工業用水などを原水とする衛生基準6項目に適合)
・遊離残留塩素濃度;0.1PPM以上。(結合残留塩素は0.4PPM以上)
・濁度;2度以下。(水洗便所の濁度は不問)
・PH値;5.8〜8.6。
・大腸菌群;検出されないこと。
・臭気;異常で無いこと。
・外観;ほとんど無色透明。
※遊離残留塩素、PH値、臭気、外観の検査を7日以内ごとに1回、定期的に行うこと。
※大腸菌群、濁度の検査は2か月以内ごとに1回、定期的に行うこと。
(注記)
1.冷却塔用、加湿装置用の補給水について空気汚染防止の為の措置を講じる項目で規定あり。
2.冷却塔、加湿装置の補給水及び飲料水、生活用水は水道法の水質に適合の事。
3.雑用水については、屎尿を含む水を原水として用いない事。
4.浴用水については、公衆浴場法が適用される。
■レジオネラ症を予防するために必要な措置に関する技術上の指針
厚生労働省告示第246号(平成15年7月25日)である。
この指針の中で明記されている対象施設、設備は下記である。
公衆浴場、宿泊施設、旅客船舶、医療施設、社会福祉施設などの入浴設備、空気調和設備の冷却塔、給湯設備、エアロゾルを発生させる設備。
■水質汚濁防止法
昭和45年12月に公布され、平成23年3月の改正が最新の法律である。
工場や事業場から排出される水や生活排水を規定する事で河川、湖沼、港湾、沿岸海域などの公共用水域や地下水の汚濁を防止する為の法律である。水道用原水に混入すると大変危険である。
《排水基準項目》
・フェノール類;5mg/L以下
・銅;3mg/L以下
・亜鉛;2mg/L以下
・溶解性鉄;10mg/L以下
・溶解性マンガン;10mg/L以下
・総クロム;2mg/L以下(クロム)、0.5mg/L以下(6価クロム)
・有機リン(殺虫剤);1.0mg/L以下
・フッ素
・n−ヘキサン抽出物質(悪臭源)